企業間の取引に使われる決済方法が商業手形です。
商業手形とは、決済の期日を指定し、期日の到来とともに、あらかじめ設定された金額が現金化され、支払われる決済方法のことを言います。
商業手形では、決済期日まで現金化できないというデメリットがあることから、決済期日前に商業手形を現金化できるシステムとして誕生したのが、手形割引です。
手形割引業者が多く存在する中、東京では悪徳業者なども多く存在しているため、そうした業者をきっちりと見分ける必要があります。
表面金利が安い業者
手形割引料を算出するために用いられる手形割引率である表面金利が安すぎる業者は、表面金利のみを誇張し、宣伝文句として利用しているケースも多く見られます。
安価な表面金利を標榜している業者の場合では、徹底的なコストカットを行って、金利を下げているため、中小企業が振り出している手形を対象外としているケースやずさんな調査を行っているケース、資金を調達する際のコストを削減しているケースでは、トラブルがおこった場合の適切な対処やアフターフォローなどのサービスも制限されていることが多くあるため、非常に悪質な取引が行われる可能性が高くなっています。
そうした悪徳業者は宣伝文句などによって、一見、質の良い取引が行える業者とも思われがちですが、目先の表面金利だけで取引を決定すれば、後々重大なトラブルに巻き込まれたり、高額な手数料を取られるといったことにもなりかねませんので、手形割引業者を選定される際は表面金利が一般的な相場よりも安価な業者は避けるようにしましょう。
メインの取引先金融機関がノンバンクの業者
表面金利が一般的な金利と比較して、安価すぎる企業と並んで、避けるべき企業の特徴といえば、取引先の金融機関がノンバンクである場合です。
ノンバンク自体は、銀行と比べて審査基準が緩く、手形の発行を行った企業が、ある程度信用のある企業であれば、ほとんどの場合で取引が可能となります。
取引のしやすさがあるため、利用をされる方も多くいらっしゃいますが、ノンバンクは主に個人融資を目的として運営されていることで、銀行に比べて貸し倒れとなるリスクが大きくなります。
そういった事情もあり、ノンバンクを取引先に設定している企業は、相場よりも高額な金利を設定してリスク回避を行っています。
また、ノンバンクを主力取引先としている企業の場合は、銀行を主な取引先に設定している企業に比べて、資金調達の能力が低くなっていることから、企業としての信用度も低いと言えます。
何らかのトラブルがおこり、手形割引が正常に行われないといった可能性もありますので、注意が必要です。